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2015年08月31日

お堂に使われる桧作りのお堂建築

茨木の戸田材木店さんの主催の“木を知る”ツアー第二回目です。

二回目は、工務店でカンナで削られ、成形されていたヒノキが実際どのように建築されたか?を現地に見に行くツアーです。ヒノキのとてもいい香りが薫る新しいお堂が完成していました。



戸田さんの話は、いつも本当に面白いです。

ヒノキは、日本神話にも出てくる木。 スサノオが鼻毛を抜いて、ふーっと吹いたら、現れた木のうちの一つなんだそうです。白くて長持ちするヒノキを使え と神様から指定を受けた木だとか。



ヒノキは、伐採した時の樹齢と同じ長さだけ、建築資材としてもしっかりと維持してくれるそう。

200年の樹齢のヒノキで作った建物は、200年持つ。 ヒノキは、他の木と違って、伐採してから、年々強くなっていき、伐採後200年くらい、ずっと強くなっていくそうです(強度があがる=細胞と細胞を繋ぐ接着剤の役目をする成分がどんどん詰まっていくため)。 ヒノキ以外の木は、逆に弱くなっていく。 たとえば、ケヤキもいい木だけれども、ケヤキを使わないのは、ケヤキの場合は、強度があがっていくスピードより、老化のスピードが早いから。

しかし、そういう長い樹齢の木が使われるのは、お堂や神社などだけで、一般家屋で使われるのは、せいぜい樹齢50年程度。 樹齢50年の木材は、50年しかもたないので、よくうたい文句であるような、「ヒノキだから長持ち!」というのは、せいぜいそのくらいだそうです。 長持ちさせたい建物に使うヒノキは、苗から違う。育て方、環境から違う。 最後の宮大工の棟梁と言われた西岡さんは、いい宮大工になるためには、農業を勉強して来い!とおじいちゃんに言われ、農業大学に行ったそうです。 なぜなら、木がどんなところで、どんな風に育つのか知らないと、いい大工にはなれないから。 木のことを知らないと、いい大工にはなれないから。

そういういい木を伊勢神宮の遷宮などで使うそうです。 最近の遷宮では、日本にいい木がなく、台湾ヒノキを使ったそうですが、実際に西岡さんが山にいって、この木なら大丈夫!と太鼓判を押したので、どうにか遷宮できたそうです。でも、今は、台湾ヒノキも輸出出来ないようになっているので、使えない。次の遷宮で使えるヒノキは、入手できるんでしょうか、、、 それ以前に、西岡さんのように、いい木か使える木か分かるプロはいるのでしょうか、、、、

屋根の緩やかなカーブのところは、本当なら、こんな角度に曲がったヒノキを上手に使えば、木の細胞もそのまま残るため、さらに丈夫で長持ちするため、昔は、わざわざそういう曲がった木を探して使うようにしていたそうです。

でも、今は、曲がった木を扱える大工さんがいないので、まっすぐな木が求められる。 まっすぐな木を削って、このカーブを作るけれど、そのカーブを作るためには、大木でないといけない。 そこまでのヒノキがもう日本にはなく、せいぜい残っているのは、伊勢神宮など、定期的な建て替えのために守られている木ぐらい。

質のいい材木にするには、きめ細かい山のメンテナンスが必要だけど、そういった仕事をする人もどんどんいなくなってきていて、ヒノキも手入れされず、放置され、いい材木になる木がもうなくなっているとのこと。

おおげさでなく、今の子どもたちが大きくなって、家を建てる頃には、質のいい木はないのです。質のいい木でないと、長持ちしないのです。うーん、、、、 それは問題だ。



ヒノキのいい香りだけでなく、とにかく、ツルツルで、とても肌触りがよくて、私はしばらく、この柱にすりすりしていました。

あぁ、なんて気持ちいいんだろう♪

このツルツルすべすべ感は、何かを塗っている訳でないんですよ! ただ、カンナで削っただけ! ビックリです(゚д゚)!

カンナの歯で、スパッ!とカットするので、木の細胞もきれいなままなので、水も内部まで浸透しにくく、さらに長持ちする秘訣だそうですが、今はカンナを使える若い大工さんがほとんどいない。なぜなら、全て工場でカットされた木材が、建築現場に届くだけだからです。 万一、何らかの調整をしないといけない場合は、カンナではなく、やすりで削るそうです。

でも、やすりだと、木の細胞がズタズタになるので、水も染み込みやすくなるので、長持ちしない。

なので、木のまな板は、削るんでなく、やっぱり、カンナで表面を削って、黒くなったところをとったほうがよいのです。ご存知でした?

なお、ネットを見ていると、若い女性の

「実家の木のまな板が黒ずんでいて、バイキンだらけに思えて、それで作った料理を食べる気になれない。100均屋などで売っているプラスチックのまな板に変えさせたいけど、親がいう事を聞きそうにない。どうしたら?」

という相談が山ほどヒットしますが、材木専門家に言わせれば、プラスティックにつくバイキンのほうが、種類も数も多い。どんなバイキンが繁殖しているか分からないので、返って危険だ とのこと。

なぜなら、木には、抗菌作用のエッセンシャルオイルがあります。 第一回めの時に、千年前に発掘された木(樹齢1500年くらいで、化石になる直前くらいのもの)の香りを嗅いでみる体験がありましたが、そんな木でも、強烈な樹木の香りを放っていたのです。 もちろん、木が自分自身を守るために発散している香りです。

ヒノキのまな板につく黒ズミは、お餅に生える青カビみたいなもので、安全なもの。 というか、安全なもの以外は、ヒノキが全て弾いてくれるから、プラスティックのまな板より安全なんだそうです。

知らなかった、、、、昔の人ってすごい!



先ほどの柱も石の上に載せているだけ、木の継ぎ方もこうして組み合わせているだけ。 それは、地震の時、固定されていると逆に倒れてしまうから。

日本の建築は、基本、そういうものですが、現代では、それでは国が認めてくれないので、国の基準通りに釘や金具を取り付けているそうです。

こういう継ぎ方の技術も、職人さんが勘で削っていくものですが、今はそれが出来る大工さんがほとんどいなくなっている。 そして、こうした神社仏閣の独特のカーブの持った屋根の設計図を書ける人も減ってきている。

こういう神社仏閣は、宗派によって、使う木の種類や寸法まで指定するところもあるそう。

昔は、こんな場所でないと建ててはいけないとか、材木の寸法などにも、この数にすると縁起がいいから などの数字に込めた意味があったそうです。 どんどん建築が進むにつれ、そんなこと言ってたら建物が増やせないというので、“こんな場所でないといけない” とか、寸法や、この部位に使うのはこんな木でないといけないなど無視されてもう数百年くらいは建つのでしょうか、、、、 昔の建築は、そういうパワーでも守られていたんですね。



美しい装飾ですが、これは、2トンくらいはあるであろう重い屋根の比重を分散させるための意味合いと、火事を寄せ付けないためのまじない、魔を払うためのまじないの 水魚とカエルを象徴しているそうです。

カエルのパーツは、正式には、蛙股(かえるまた) と言います。カエルって、がに股で、まるで、しこを踏んでいるかのようですよね。なので、重さをしっかりと支えられる生き物として使われているとか。

今回のお堂は、予算の都合で、屋根に鬼瓦がないそうですが、本来は、鬼瓦をつけることで、鬼を払うそうです。


内部の天井には、美しい木目模様が組み合わされています。 

お堂に使われる桧作りのお堂建築

戸田さんがこんな勉強会をしてくださるのは、せっかくのいいヒノキの山が手入れされずに、いえ、手入れすることが出来ずに放棄されている山が増えているから。

ただでさえ、樹齢の長いヒノキがほとんどなくなっているのに、今育っているヒノキも、手入れが出来ないことで、建築次第としての質のよいものではなくなってきている(下手すりゃ、使えないかも)。

帰りに子どもに、私はこう言いました。

「あなたたちが大きくなった時、家を建てようとしても、木がないかもしれない。3匹の子豚の藁や石のうちしか建てられないかもね。どうする?」

子どもはこう言いました。 「コンクリで作れないの?」

コンクリ、、、、、 木がなくなったら、必然的にそうなるけど、コンクリの建物 - たとえば、小学校みたいな - は、私は、めっちゃ冷えるからそんなところに住めないな(;・∀・) 女の人に、コンクリの家はちょっと住めたもんじゃ、、、、

子どもは、こうも言いました。 「石で作ったら?」

戸田さんは、こう言いました。 「石のうちは、ヨーロッパとかやな。日本は木や。なんでか分かるか?日本には、石がそんなにいっぱいないやろ?」

未来の家は、どんな家になるんでしょうか? 私は、おばあさんになった時、冷えるコンクリートの家は勘弁してほしいな(;・∀・) あたたかい木の家がいい。

どうしましょう? みなさんw






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Posted by みくまり at 12:20 │イベントレポート